【糸島市】ドクター古藤の園芸塾Vol.162(3/27号掲載)

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自家育苗を始めませんか

 この時期の園芸店やホームセンターでは、カラフルなポリポットとラベルで飾られたトマトやカラーピーマン、ナスなどの野菜苗類が売り場をにぎやかにしていますね。苗を目にすると、「いつ苗を植えろうかな~」って、菜園の状態を浮かべながら、つい想像してしまいます。

 過去は「遅霜が怖いけん、苗の早植えはいかんよ」「地温が十分温まって苗を植えなぁいかんよ」と、苗を植える時期のアドバイスをしていました。しかし、近年の4月、5月の月平均気温は、平年より4~5度高く推移していますから、定植のタイミングは今までとちょっと勝手が違いそうです。福岡管区気象台の向こう3カ月の気象予報では、4月、5月はそれぞれ60%、50%の出現確率で、平年より高くなる予想が発表されています。さらに生育管理を難しくしているのが、定植後の強い紫外線を伴う日中の気温上昇と冷えにくくなった夜温。この気温高とどう向き合っていくのかが課題です。

 今回は、気温の上昇を踏まえ、野菜苗の自家育苗により、定植のタイミングを見図ることで、少しでも作物の生育を助けることができないかと考えております。

 そこで、おすすめの品種を紹介します。

 ◎サトイモ

 一般的には種イモを直接、畝に植え込みますが、省スペース栽培でしたら、種イモをポリポット(野菜・草花苗を植えた後の空ポット)に土を入れ、種イモの芽が出る方を上にし、半分だけ埋め込みます。その後、背丈15センチ前後になってから準備した畝に定植します。種イモの植え付けよりも、イモが腐敗しにくく、豪雨による過湿などの生育ストレスの影響も受けにくくおすすめです。ポット育苗中は緩効性置き肥を3粒ほど地表に置いていくだけで立派な苗が育ちます。

育苗中のサトイモ

 ◎ショウガ

 直接、種ショウガを菜園に植え付けるのが一般的ですが、遊んでいるポリポットがあれば、土を入れ、少し小さめの種ショウガを埋め込んでおくと、美しく白い芽が伸びてきます。時間をかけて、芽が伸び白色から緑色に変わり、しっかりとしてきます。そして、菜園にたっぷりの堆肥と多めの石灰肥料を施し、比較的ゆっくり効く緩効性肥料を基肥として施し、ショウガ苗の根鉢をなるべく崩さないようそっと植え付けます。

育苗中のショウガ

 サトイモもショウガも土壌の乾燥を極端に嫌います。地表面はワラなどで覆い、定期的な潅水(かんすい)を行い、土壌の潤いを保つことが、健全な生育を促すための必須となります。

 その他、おすすめの自家育苗は、春レタス系、春まきサヤエンドウなど。発芽温度がキープできる時期ですので、チャレンジしてみるのも良いでしょう。気温が上昇すると、キュウリやオクラ、ゴーヤ、エダマメ、スイートコーンなどもポリポットや育苗セルトレーなどを使って育苗すると、苗購入よりかなりのコストダウンになりますし、自分で育苗し育てる野菜は、さらに愛着が湧くと思います。

 育苗は、水やりや日光の当て方、置き場所の移動など多少手間はかかりますが、元気に育った苗を菜園に植え付ける楽しみは格段と高くなります。

(シンジェンタジャパン・アグロエコシステムテクニカルマネジャー 古藤俊二)

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古藤 俊二さん
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この記事を書いた人

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