【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》なぜ、年度の始まりは4月?

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 新年度がスタートした。入学や進級、就職、異動と、環境が大きく変わる時期。新たな出会いへの期待と、知らない世界に飛び込む不安が入り混じり、1年のうちで最も大きな節目といえる。年度には、国や地方公共団体の会計年度や教育機関の学校年度があるが、これらはどうして暦の1月からではなく4月から始まるのだろうか▼会計年度について調べてみたところ、あっけにとられるような歴史的なエピソードが含まれていた。日本は1873(明治6)年に西暦を採用したが、このとき、国の会計年度は暦と同じ1月から12月となっていた。それが明治時代半ばにかけて目まぐるしく変更されていったのである▼1875(明治8)年には、7月から翌年6月まで、そして1886(明治19)年になると、現在と同じ4月から翌年3月までとなった。年度の始まりを7月としたのは、土地にかかる税金の地租の納期に合わせるという理由があった。それがどうして4月となったのか▼広報誌「国立公文書館ニュース」の連載「あの日の公文書」に、こんな話が紹介されていた。明治時代半ばの日本は、国権強化策から軍事費が激増し、収支の悪化が顕著になっていた。このため、大蔵省のトップは、次年度の予算の一部を繰り上げて本年度の収入としてやりくりしていた。ただ、こうしたやり方による破綻を防がなければならない。そこで講じられたのが会計年度を7月から4月に切り替えるというものだった。これによって切り替えを行う前の年度は、本来だと12カ月である期間を9カ月へと短縮でき、こうして前倒しで使っていた予算のつじつまを合わせたのだという▼学校の入学時期については、明治時代に西洋式の教育制度が導入されたときは、西洋を参考にして9月だったという。ただ、学校の運営に必要な資金を政府から調達するのに不便がないよう、入学時期は会計年度の4月に合わせられていったという。こうした経緯があるとはいえ、4月は桜が咲き誇り、草木が芽吹き、やる気が湧き出す季節。いいスタートを切りたい。

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