【糸島市】竹を利活用 放置竹林整備

純国産メンマ発祥の地でサミット   —糸島市の伊都文化会館—

 竹の利活用で放置竹林を整備する先進事例を広く知ってもらおうと、第5回「純国産メンマサミットin糸島2023」が4日、糸島市の伊都文化会館で開かれた。同市が純国産メンマ事業の発祥の地ということもり、全国から過去最多の約400人が集い、持続可能な竹林整備の活動について聴き入った。

先進事例が発表された純国産メンマサミット

 草の根の地域おこしの取り組みとして、同市から35府県の地域団体や企業などに活動の輪を広げている「純国産メンマプロジェクト」(日高榮治代表)が開催。日高代表が最初に講演を行い、竹薮の放置が深刻な課題となる中、取り損ねのタケノコ(幼竹)を資源として生かすため、メンマの国産化に取り組んだ経緯を説明。メンマの加工方法などに触れた。また、プロジェクト充実を図るため、技術面での情報交換や、実習などによる新規検討者の支援、量産化によるコスト削減などを行う考えを示した上で「やりがいのあるテーマ。さらなる活躍を期待します」と語り、プロジェクトの拡大に期待した。

 メンマの名付け親のメーカー、丸松物産社長の松村大輔さんによる特別講演もあった。メンマが持つ課題として、大部分を中国からの輸入に依存し、中国での需要の高まりで原料が減少し、価格が高騰していることを指摘。ラーメン業界では、付加価値の高い差別化されたメンマへの需要が高まっているとして、純国産メンマの生産量増加の展望を述べた。

 竹林整備を実践する国内各地のリーダーたち4人による事例発表もあった。広島県安芸高田市を拠点とする市民団体「山海環」代表の谷川裕之氏は、里山と里海の環境再生を目指し、かき養殖いかだの部品に使われているプラスチックパイプを竹に転換し、瀬戸内海の海洋ごみワースト3とされるパイプを減らす活動について話した

 糸島市で純国産メンマ作りをしているサミット実行委員長の古賀貴大氏は講演で「プロジェクトを通し、各地域に合わせたメンマ作りを考案し、純国産メンマが家庭の常備品となるよう頑張りたい」と、今後の展開に意欲をみせた。

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