糸島市二丈田中の国登録有形文化財、椛島家住宅で、江戸時代中期から明治時代にかけての浮世絵の展示会が開かれている。風格のある建築の雰囲気を感じながら喜多川歌麿や歌川広重といった有名な絵師などの版画約100点を堪能できる。
同住宅は130年ほど前に建てられ、糸島地方での民家建築の流れをくんだ近代的な建築の好例とされる。展示会場は主屋の1、2階の書院。浮世絵は、美女や俳優、風景などを描いた版画で、ガラス越しではなく実物を直に鑑賞できる。入場者には、ハンドライトが貸し出され、明かりを当てながら顔の表情や手足、衣装などをじっくりと見ることができる。
家主で僧侶の椛島禅徹さんは「建物そのものが美術品ともいえ、こうした風情の中で一点一点、心ゆくまで味わってもらえたら」と話していた。