【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》

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イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区への攻撃に抗議するデモが全米の大学で相次いでいる。攻撃により多数の民間人が犠牲なる悲惨さに心を痛め、団結して反戦の意思を示す。そのデモに対し、警察官が突入し、学生たちを拘束するという事態が起き、状況は一気に悪化。抗議者が構内の建物を占拠した大学も出た▼現地からの報道によると、デモの強制排除があったのはニューヨークにあるコロンビア大学。4月18日、ガザ地区への連帯を示し、構内の中庭にテントを張り、座り込みをしていた学生たちが警察に逮捕されたのだ。大学側は学生に立ち退きを命じたが、学生側が応じなかった。ただ、学生たちのデモは非暴力的だったという。それにもかかわらず、大学側は警察に要請してデモを排除し、学生たちの運動を先鋭化させてしまった▼学生側の主な主張は、イスラエルを支持する企業に大学の基金を投資しないことだった。ガザでの戦闘の加担につながる企業に投資すれば、大学もくみしたことになるというのだ。一方、抗議活動が、差別をもたらす「反ユダヤ主義」につながるとして警戒する声もある▼国際ニュース週刊誌「ニューズウィーク日本版」がコロンビア大と対照的な対応をした大学を取り上げている。学生が構内で野営し抗議運動をしていたカリフォルニア大学アーバイン校。「わが校は全ての学生が、合法的な抗議運動を含め自由な言論と表現を行う権利を尊重する」との声明を出した。地元の市長も警察に撤退を求め、警察は従った▼コロンビア大は1960年代、ベトナム戦争などに反対する抗議活動が行われ、映画「いちご白書」の題材となった。題名の由来は当時の大学幹部が大学運営に対する学生の意見について「いちごに対する好みの表示と同じようなものだ」と学生を揶揄した発言。逮捕や停学、退学のリスクを冒しデモをする学生たちの訴えは「いちご白書」なのか。決して、そうではないだろう。

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