あごらにセンター開設
糸島市と市社会福祉協議会は、認知症などで判断能力が十分でない人やその家族、支援者などの相談窓口となる「市成年後見センター」を、同市の市健康福祉センターあごらに開設した=写真。7月20日にセンター開設を記念した講演会を開く。同センターの野中保雄センター長は「認知症のお年寄りや独り暮らしの高齢者の増加などに伴い、成年後見制度の需要は高まると思われる。まずは気軽にご相談を」と呼びかけている。
成年後見制度は、「医療や福祉サービスの契約や手続きが難しくて分からない」など、認知症や知的障害、精神障害などで判断能力に不安や心配がある人に代わり、家庭裁判所に選任された成年後見人などが、契約や財産管理などを行う制度。
市成年後見センターは、今年4月、あごら内にオープン。担当の職員2人が、「認知症になった家族の預貯金が引き出せず困っている」「自分がなくなった後、障害のある子どもの将来が不安」など、「財産」「契約」「制度」「将来」に関することなどについて相談に乗る。また市民後見人の養成や同制度の利用対象とならない人の自立の支援なども行う。
市役所の各所管課や地域包括支援センター、障がい者相談支援センターなどでも窓口対応をしているが、市地域福祉課は「センター開設後は、より多くの市民に情報提供や成年後見の申立て支援を行うことができるようになった。今後は、必要な人が成年後見制度を利用できるような地域全体のネットワークをセンターとともに構築していきたい」としている。
野中センター長は「制度のニーズは高まっている一方、周知が徹底できていないと認識している。センターの存在をアピールすることで、制度の利用促進に取り組みたい」と語った。