糸島伝説集– tag –
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新聞記事
続・糸島伝説集53
【野北村・お松の悲運 ⑤】 仏像が出て来て皆をホッとさせたが、犯人はお松の兄ということが分かると、檀徒の非難はお松の肩に火矢となって降り注いできた。 「芸者あがりを坊守にしたのが間違いだった」「こうなったら坊守をこの寺から追い出すしかな... -
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続・糸島伝説集52
【野北村・お松の悲運】 権太は最初から因縁をつけて金をせびるのが目的であり、ああ言えばこう言うで、お松との話はかみ合わない。そのうち権太は本性を現した。 「お松、無理なことは言わねえ、十両出せ。十両貸してくれたら、俺も男だ、二度とこの... -
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続・糸島伝説集51
【野北村・お松の悲運 ③】 田舎娘をここまで真心込めて接してくれ、妻にしたいとまで言ってくれたのは、お松にとって実念が初めてであり、お松の目からはハラハラと涙がこぼれた。 素厳寺の若住職の実念が、茶屋芸者を身請けし妻にするという話は、瞬... -
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続・糸島伝説集50
【野北村・お松の悲運 ②】 鶴太郎は、まだ初々しい丸髷(まるまげ=新妻の髪型)姿の女性と何やら楽しそうに話している。女性は間違いなく若妻である。「あの鶴さまが、いつの間に奥さまを…」とつぶやくと、お松の足はガタガタ震え、顔は真っ青になり、... -
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続・糸島伝説集49
野北村・お松の悲運 ① 今から百六十年程前、江戸時代が終わろうとしていたころの話である。 博多の石堂川のほとりに「千歳屋」という料亭があった。この料亭には、お松という博多界隈では知らない人がいないほどの美人芸者がいた。 お松は野北村の... -
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【糸島市】続・糸島伝説集48
【金の茶釜はどこに 長糸本区(下)】 それから時代はずっと過ぎた明治四十五年ごろのことである。どこからともなく村に、六部と呼ばれる行脚僧が訪れて、この祠で一夜の雨露を凌いで眠っていた。すると枕上に気高い地蔵尊の御姿が現れ、「朝日射す、夕... -
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【糸島市】続・糸島伝説集47
【金の茶釜はどこに 長糸本区(上)】 長糸の本にある六所神社の裏手に蚯蚓(みみず)の這(は)ったような細い道があり、以前は道の両脇に雑木が生い茂って、昼でも暗い闇夜のようであったという。 今から二百年近く前の天保年間のことである。秋八...
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