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福岡マラソン2019 号砲待つ糸島のランナーたち

2019.11.8

 6回目となる「福岡マラソン2019」(福岡市、糸島市、福岡陸上競技協会主催)が10日、開かれる。フルマラソンには1万2千人が参加。福岡市・天神を出発し、ゴールの糸島市志摩初(市交流プラザ志摩館付近)まで42・195㌔を駆ける。出走の号砲を前に、糸島路をどんな気持ちで走ろうと思っているのか、糸島市在住のランナー3組に聞いた。

 母と娘、再出発のきっかけに 西美千子さん・幸子さん

 

一緒に走る時間が「かけがえのない時間に」と口をそろえる美千子さん(右)、幸子さん

 一緒に完走を目指している母娘がいる。糸島市前原東の西美千子さん(52)と長女の幸子さん(23)。
2017年の第4回福岡マラソン。美千子さんは、知人の応援を沿道でしているうちに、歯を食いしばり懸命に走るランナーたちに気持ちを揺さぶられた。「持久走は苦手だけど、私も走ってみよう」。

 子どもが3人とも学校の問題を抱え、美千子さんは深い悩みの淵に立っていた。前を向くきっかけになれば、と練習を積んだ。「走ると自分と向き合え、気持ちが軽くなった」。翌年出場。30㌔過ぎから膝が激痛に襲われる。我慢して、最後はふらつきながらゴールに飛び込んだ。

 幸子さんは、本当にフルマラソンを走り切った母の姿に心を動かされた。大好きなダンス中に脚をけがし、手術と長いリハビリ生活。気落ちし自宅にこもりがちだった。
「私もマラソンで自分を取り戻したい」。出場を決めた。

 美千子さんは、前を向かせてくれたマラソンと、応援してくれる家族への感謝を胸に。初出場の幸子さんは「完走し自信をつけ、将来の夢に向かう再出発のきっかけに」と決意の表情で。共に号砲を待つ。

  「歩けない娘の分まで」 中野剛司さん

 

特注のバギーに座る琴海さん(右)と中野さん

 「自分の足で歩けない娘の分まで頑張りたい」。糸島市美咲が丘の会社員中野剛司さん(43)のランへの思いは、長女琴海(ことみ)さん(6)に向かう。
4度目の福岡マラソン。高校は陸上部で3千㍍障害の選手。社会人になっても、転勤先で何度もフルを走ってきた。

 琴海さんが産まれて2週間後、呼吸困難に陥るなど危機的状態が発生。リー脳症という重篤な病気の症状で、主治医から「この病気の子は3歳で亡くなることが多い」と伝えられた。その後、世界で症例が400例しかない別の難病と分かった。

 糸島は、たんの吸引や経管栄養など医療的ケアの必要な子どもの世話を支援する、児童発達支援・放課後デイサービス、医療型短期入所施設などの環境が、ようやく充実してきている。市内にある妻麻実さん(39)の実家の両親も、懸命にフォローしてくれる。麻実さんは「病気を持ちながらも、毎日普通に暮らしたい」と話す。

 琴海さんは今春、福岡市立今津特別支援学校に入学。話すことはできないが、長男(4)と一緒に公園などへ外出するとうれしそうな表情を見せるという。
「夢は、ことのバギーを押して福岡マラソンのファンラン(5㌔)を走ること」と中野さん。それまでは琴海さんの分も、走り続ける。

  ランナー心理知りたい 柴田大輔さん

 

もてなされる側の経験を今後に生かしたいと意気込む柴田さん

 福岡マラソンが始まった2014年から毎年、ランナーを「もてなす側」だった会社員柴田大輔さん(36)=糸島市神在。今年は「もてなされる側のランナーの気持ちが知りたい」と、初めてフルマラソンに挑む。

 柴田さんは、同市志摩のマラソンフィニッシュ会場内のおもてなしエリアで、奥さんの実家が出す「伊都ホットサンド 笑顔」で唐揚げをランナーに配るのを手伝ってきた。

 きつそうな人、楽しそうな人。走り終えた人のいろいろな表情を眺めながら考えた。「応援の人たちで埋まったコースはどんな雰囲気だろう。42・195㌔の完走はどれくらいきついのかな」。

 10月、フルマラソンの半分の距離を試しに走った。「走り切れたけど、筋肉痛が1週間取れなかった」と苦笑いを見せる。

 「完走できるかドキドキ。でも、『頑張れ』といつも背中を押してばかりの3人の娘たちに、自分の頑張る姿を見せるチャンス。多くの友人、知人が応援してくれそうだし、大会翌日は結婚記念日。かっこいいところを見せたい」。気合は十分だ。

 来年は、マラソンランナーの気持ちをくんでのおもてなしができるに違いない。

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