糸島新聞
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続・糸島伝説集15

2022.02.11

志登神社の「立石さま」 糸島市志登(下)

 あまりの不可思議な出来事に、村人たちは老人が毎日祈願していた神社の反り橋の傍(そば)に行ってみると、老人が腰を下ろしていた平石の上には膝形の窪(くぼ)みができているではないか。村人たちは「これは氏神様が老人に姿を変え、何かをお告げになったのだろう。もったいないことだ」と、平石を起こしてしめ縄を張って祀(まつ)ることにした。

 志登神社の不思議な出来事は、怡土郡だけでなく広く遠近に広まり、「躄の足が立った」「手足の病気が治る」と言って、遠方からも多くの参拝者や祈願者が訪れるようになった。村人たちは「これは神威である」と有り難がった。

 平石を起こして立てたので、村人たちは「立石さま」と呼ぶようになったという。記述には、高さ五尺(約1・5㍍)、幅四尺(1・2㍍)の平石で、玉垣で囲まれている。祈願者は傍(かたわ)らの池の水を三尺柄のついた藁箒(わらぼうき)で「立石さま」を洗う。祈願成就の際は、新しい箒か板で手や足の形を作って供える―と伝えている。

 「立石さま」の前には、木で作った手形や足形が昭和の初めごろまでたくさん奉納されていたそうである。医学が現代のように発展していなかった時代には、神様が頼りだったのであろう。糸島各地には、病気やけがの平癒を祈願する神社も多かった。

 伝説に出てくる「立石さま」は、現在も「立石大神」と呼ばれ、大切に祀られている。また、怡土志摩郡地理全誌などによると、反り橋は名称を「細語橋(ささやきばし)」といい、元は神社から南に三十町許(ばかり)の溝に架けられていたが、黒田光之公による再建の際、神社内の池の橋として移設されたという。

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