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糸島の牛たち
2021.01.1

志登神社から望む高祖山
牛は神の使いともいわれ、菅原道真公を御祭神とする神社では、牛を敬い、境内に伏せた牛(臥牛)を祭る社も少なくない。
道真公が丑(うし)年生まれだった。亡くなった2月25日が丑の日だった。道真公の亡きがらを運ぶ際、牛車を引く牛が動かなくなり、そこを墓所と定めた。などなど様々ないわれがある。
太宰府との縁が深い糸島には、道真公を御祭神とする神社が多くあり、臥牛像が奉納された社もある。それぞれの臥牛に趣があり、優しい眼差しで参拝者を迎える。丑年にちなみ、糸島の臥牛たちを探してみた。
①高祖(たかす)山
糸島市の東、福岡市との境界にある標高416㍍の山。その姿が、牛が長々と寝そべっているようにも見えるので「臥牛(がぎゅう)山」とも呼ばれる。
西の麓には高祖神社が鎮座する。さらに登ると、1300年ほど前に吉備真備(きびのまびき)が築城したという怡土城と800年ほど前に原田種継・種頼親子が築城した高祖城ふたつの国指定史跡の城跡がある。

頭をもたげた牛がお出迎え
②加布里(かふり)天満宮(糸島市加布里)
階段を登り、四の鳥居を抜け、拝殿に至る階段の手前左手、梅の木のわきに臥牛像。三段の石の台座に載る。笑みをたたえた顔をもたげ、お参りに来た人たちを迎える。背面の胴には穿(うが)たれた跡が残る。尾は右後脚にかかる。立派な角を持つが、左の角は一部欠けている。首の皺(しわ)やのどのたるみがリアル。奉納年不肖。
御祭神は、菅原大神(すがわらのおおかみ)。
1340(興国元)年、●太宰少弐源正家が●太宰府より勧請した。境内には、芭蕉の句碑、仙厓和尚の詩碑がある。社殿前からは引津湾越しに可也山を臨む。
国道202号線、加布里神社前交差点から南に入る。糸島市加布里545。