古代とのつながり感じて
「大六先生ゆかりのものは全て遺(のこ)したいんです」。そう話すのは、原田大六記念館館長・月潭(げったん)眞龍さん(51)。月潭さんは、平原遺跡を発掘し、出土した内行花文八葉鏡(国宝)を修復した、糸島生まれの在野の考古学者、原田大六さんが遺したものを管理している。
「遺したもの」が幅広い。大六さんの自宅にある書籍や膨大な研究資料(非公開)に加え、研究姿勢や価値観など、大六さんに関わるものが今も息づき、月潭さんは人々の記憶をも含めて遺したものを守ろうと奮闘している。
生前の大六さんが好んで手土産にしていた菓子、内行花文八葉鏡を模した最中「伊都の鏡」もその一つ。「戦争や開発、流行など、時代に翻弄(ほんろう)され多くのものが失われてきた。しかし失ってはならないものがあるんじゃないか」と言う月潭さんは、半世紀にわたり「伊都の鏡」を販売してきた菓舗苑田(そのだ)が閉店する際に、最中の金型を受け継いだ。
あんこと月潭さんの思いがたっぷり詰まった糸島銘菓「伊都の鏡」は、「糸島の顔がみえる本屋さん」(前原中央)で販売中。問い合わせ先は公式Instagram 「haradadairokukinenkan」
ママライターの「糸島でみぃつけた」 ママトコラボ取材班 南明日香