九州最大級のサイクルロードレース「ツール・ド・壱岐島2023」が6月6日に開催され、糸島市二丈吉井の谷村めぐみさん(40)が女子30キロの部で優勝した。昨年、同大会に初めて参加し、2位に。今年はタイムを2分縮めて優勝をもぎとった。
「ロードレースは1人じゃ走れなくて、ペース配分を考えるペースメーカーや風よけとなって先頭を走るアシスト役あってのものなんです。一緒に走ったチームの皆さんのおかげです」と頬を紅潮させた。
元々ロードレースを趣味にしていた夫の英樹さんに勧められ、3年前からロードバイクに乗り始めためぐみさん。「『今日はあそこにランチに行こう、今度はもうちょっと遠くのカフェまで』という甘い誘いにのせられて距離を延ばす中、自転車の魅力にどんどんはまっていきました」と笑う。
福岡市南区の自転車チーム「サイクルプラス」で、イタリア料理とワインの宿「アッカプントエッフェ」(吉井)の藤田夫妻と出会い、福岡市から2022年7月に移住。あたたかく迎え入れてもらった集落の中で、これまで福岡市内で営業していたカフェ&バーをCherir café du cyclisteとして移転オープンした。店先には「サイクリングを楽しむファンライドを企画、提供できる拠点にしたい」と、サイクリングスタンドを備える。
移住前は、朝練をしたくても、ある程度のアップダウンのある地域まで移動するのに1時間かかっていたが、福吉では、家を出たらすぐ練習開始。藤田夫妻と近隣の仲間5、6人で、まむしの湯を出発し、白木峠を越え、福岡セブンヒルズゴルフ倶楽部まで2往復する朝練を1時間。「仕事と自転車を両立できます」とにっこり。
コロナ下で健康であることの大切さを痛感した。「食と健康と自転車」をキーワードにし、カフェでは、糸島産の全粒粉を配合し天然酵母を使って焼き上げたパンや、手作りのバンズを使い、糸島産の牛肉100%のパテを挟んだハンバーガーなど軽食を出す。
「福吉は坂があり、海が見え、四季折々の移ろいゆく自然が感じられる、魅力的なコースがいっぱい」。サドルにまたがってこそ見られる景色を生かし「自転車を通して糸島を盛り上げていきたい」との思いはふくらむ。