《糸島新聞連載コラム まち角》

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 糸島市前原中央の古民家レストラン「古材の森」で6月中旬、「唐津街道サミット」が開かれた。現在の佐賀県唐津市と北九州市を結ぶ街道として江戸時代に栄えた唐津街道の歴史遺産を、まちづくりに生かしている団体などから30人余りが集い、現状などについて語り合った▼「点が線になったらおもしろいだろうな」。街道沿いの宿場町に残る地域の宝をつないでみようとの思いで2008年に始まったサミット。コロナ禍などの影響もあって一時途絶えていたが、再開を望む声が各地から上がり、初回開催の地の前原で催された▼地域によっては、民間企業が古民家をリノベーションし、町並みの再生に、活発に乗り出しているところもある。ただ、サミット全体を通して感じたのは、それぞれの地域が自分たちのペースで町の魅力を掘り起こし、訪れた人に街歩きを楽しんでもらう工夫をしていることだ▼唐津街道は、福岡藩や唐津藩、平戸藩など九州西側に領地がある大名が行き来したが、砂糖や外国由来の菓子の文化が花開いた長崎街道の「シュガーロード」のように一言でくくれる強烈なキーワードはない。それゆえ、それぞれの地域性を個性豊かにアピールできるまちづくりにつながっていると思う▼大陸との玄関口だった玄界灘沿いを主に通るのが特徴。それだけに、江戸から時代をさかのぼると、魏志倭人伝の道筋だったり、遣唐使が立ち寄る港があったり、蒙古襲来の地があったりと、魅力はたっぷり。時代を乗り越えていく時間旅行。これもまた、この街道筋ならではの楽しみ方だ。

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1917(大正6)年の創刊以来、郷土の皆様とともに歩み続ける地域に密着したニュースを発信しています。

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