深江神幸祭
15日、爽やかな秋晴れの下、深江神幸祭が執り行われた。今年は3年ぶりに全ての神輿渡御行列が組まれ、子ども神輿、ふりこみ、のぼり旗、神具類、奏楽隊、神輿など総勢百人を超える大名行列が、深江神社から深江海岸に設けた御旅所まで往復した。
深江神幸祭で注目を浴びるのが、主に元町・宮小路地区の小学生から30代の青年男子24人による「ふりこみ」だ。奴装束をまとい、挟箱(はさみばこ)や台笠などの道具を担いで「エーイ」「エーイ」と力強い掛け声を上げながら、行列の到来を町内に呼びかける。約1時間かけて独特の足運びでゆっくり進む道中では、わらじが擦り切れたり、長さが約4メートルもある装飾用毛槍(けやり)の白熊(はぐま)が風にあおられたりする場面もあったが、懸命な若者の姿に沿道の人たちは「かっこいいね」「神幸祭が見られてうれしい」と喜んだ。
最年少の山口善亮(ぜんすけ)さん(9)は「挟箱を持ってちょっと肩が痛かったけれど、楽しかった!」と言い、白熊を初めて持った古藤伸一朗さん(19)は「2週間の練習で、片手で持てるようになった。神幸祭が近づく9月中旬から心がソワソワする」と話す。山田純也さん(33)は「子どもも青年も、いろんな年代で一緒になってできるのが神幸祭のいいところです」と少し照れくさそうな笑顔で話した。
(地域特派員 尾崎恭子)