県肉畜共進会 浦さんが初受賞
県内の畜産農家が、質の良い肉をより多く生産する技術や成果を競う県内最大の品評会である県肉畜共進会(JA全農ふくれん主催)の肉豚の部で、糸島市志摩桜井の王宇義(おうぎ)農産が金賞を初受賞した。10月26日、経営主の浦王寿社長(58)と長男の宇寿(たかとし)さん(23)が市役所を訪れ、月形祐二市長に受賞報告を行った=写真。
王宇義農産では現在、市内の養豚農家9軒中、2番目に多い3721頭を飼育。「玄海ポーク」のブランド銘で福岡市西区のイオンモール福岡伊都店や糸島市の伊都菜彩などに出荷しており、昨年度の年間出荷量は約6900頭に上る。
同共進会の肉豚の部には、体重がおおむね110キロの去勢豚1頭と雌豚1頭をセットで出品。肉質や脂の厚さ、色など、審査員3人による厳しい審査が行われ、金賞1点、銀賞1点が選ばれる。
浦さんの豚は規格「極上」と評価され、出品された33セット66頭の中で唯一、両方とも満点での金賞受賞となった。
浦さんは二十歳で家業を継ぎ、現在は家族4人と従業員1人の計5人で経営を行っている。水にこだわり、麦類を加えた独自ブレンドの飼料を、豚の品種や成長に合わせて4段階に分けて与えている。また環境や換気、温度などにも気を遣い、健康な豚の育成に努めている。
20数年来の挑戦で、銀賞は2回ほどあったが金賞は初めてという浦さんは「なかなか取れないので期待していなかったが、一生懸命やってきたことが評価されてうれしい」と笑顔を浮かべ、「金賞受賞が少しでも、厳しい養豚経営の好材料になり、息子に家業を継ぐことができれば」と期待していた。