白糸で寒みそぎ
締め込み姿の男衆が冬の川に入り、五穀豊穣(ほうじょう)を祈る「寒みそぎ」が16日深夜から17日未明にかけて、糸島市白糸の熊野神社近くの川付川であった。
寒みそぎは室町時代に始まったといわれ、この地域が疫病や大火に見舞われたとき、災いを払おうと山伏が荒行を行ったのが起源とされる。
午前0時の前原地点の気温は、5・7度。時折雪も舞う中、提灯(ちょうちん)とたいまつを先頭に、男衆約80人が神社を出発すると、約200メートル離れた川付川のみぞぎ場へ。三つのおけに入った三升三合(約5キロ)の御国米を川の水でとぎ終わるまで、男衆は川の中で肩を組んで円陣を作ったり、「オイサッ、オイサッ」と声を出し、水しぶきを上げたりしながら水の冷たさに耐えた=写真。
炊き上げた米を高く盛り上げ、一番上の米粒の傾きによって豊凶を占ったところ、「来年は平年作」と出た。