【糸島市】ドクター古藤の園芸塾Vol.54(12/22号掲載)

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ブルーベリー栽培

 今回は人気果樹、ブルーベリーの苗の植え方と管理。重要なのが用土です。ブルーベリーは酸性土壌を好む性質で有名ですが、最大の特徴はツツジの仲間で、根は深くは伸びず、主根と直根の区別が無く、多くが細根の繊維根(ひげ根)であり、根の伸長範囲は浅くて狭く、ほとんどの根が樹冠下内にあります。

 根毛が無いので、根の養水分吸収力は他の作物と比べてたいへん弱いのが欠点です。細根の伸長力は弱く、生育に適した条件下でも1日1ミリの伸長で、これは小麦の20分の1。根の生育環境を整えてあげることが最重要点です。

 そこで、ブルーベリーは酸性質のピートモス(水苔が堆積したもの)を使うのがこつです。サザンハイブッシュ系を鉢で育てる場合は、ピートモスと鹿沼土を半々で混ぜ合わせます。鹿沼土とは、栃木県鹿沼地方で採取できる赤城山が噴火したときの火山灰が風化したものです。黄色みを帯びた白色の粒状、肥料成分を含んでいない、粒が硬く崩れにくい、水はけと水もちのバランスがよい。さらに、鹿沼土のpHは4~5・0で、酸性度合いが強めの酸性土ですから、ブルーベリー栽培にはうってつけです。

土台作りの基礎「ピートモス」
酸性用土「鹿沼土」

 ラビットアイ系では、ピートモスと鹿沼土の混合では、酸性度が強すぎるので、鹿沼土の割合を減らし、ピートモス5割・鹿沼土2割・赤玉土2割・バーミキューライト1割の割合で。

 肥料の与え方は、ブルーベリーは、アンモニア態窒素を好みますので、油粕や魚粕などの有機配合肥料がおすすめですが、ブルーベリーは、野菜ほど肥料分を必要としません。一度に多量の肥料分を施用すると根が、障害を起こします。

 プランターに植える際は、鉢に底石を敷き、少し用土を入れたら、鉢から抜いた苗を置いて用土を入れ足します。この際、根鉢を崩す必要はありません。ブルーベリーは、酸性質や水持ちなどの土壌環境が整えば、安定して根を張ります。仕上げにピートモスを表面に敷けば、乾燥防止になります。

 露地栽培する際は、水はけが悪い土壌や粘土質の土壌を避けてください。

 なお、作業する際は、必ずゴム手袋などを使用すること。ピートモスや鹿沼土は、酸性が強いため素手で扱いますと手が荒れます。

素材を混ぜる
プランターに土をしっかり締め込む

 よく当店に寄せられるブルーベリーに関するご質問が、ブルーベリーは、2本植えないと実が成らないと聞いたのですが、オス・メスがあるのですか?

 ▼ブルーベリーには、オス・メスはありませんが、自家受粉性が弱く、他家受粉性ですので、自分の花粉では受精しづらい性質があります。ラビットアイ系などの同系統内での、違う品種を植えるようにすることで結実がよくなります。

 身近で、病虫害にも強く育てやすい健康果実の一つです。春の小花、初夏の収穫、秋の紅葉と、四季を感じさせてくれる一押しの果樹です。

(JA糸島経済部部長補佐、アグリマネージャー 古藤俊二

※糸島新聞紙面で、最新の連載記事を掲載しています。

古藤 俊二さん
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この記事を書いた人

1917(大正6)年の創刊以来、郷土の皆様とともに歩み続ける地域に密着したニュースを発信しています。

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