正しく知り 日頃から準備を

突然の災害 あなたはどうする?

ー能登半島地震教訓に糸島市危機管理課長に聞くー

 石川県で238人(1月29日現在)の死亡が確認されるなど、多大な被害が出た能登半島地震を教訓に、今後起こりうる地震に備えるため、一人一人が考えて行動することが重要だ。糸島市危機管理課の田中利幸課長は「災害は誰の身にも降りかかる可能性がある。災害を恐れるだけでなく、正しく知って備えることが大切」と語る。では、どのような準備を日ごろからしておくことが必要なのか、田中課長に聞いた。

電子版「いとしま防災まなびブック」

 -地震による糸島市の被害想定は。

 県の「地震に関する防災アセスメント調査報告」(2012年)によると、糸島市の被害が最も大きくなるのは、博多湾から筑紫野市まで伸びる「警固断層」南東部を震源とする地震です。

 震度6強、マグニチュード(M)7・2程度の揺れを観測すると予想。建物被害は全壊・大破が2311棟、人的被害は死者137人、負傷者は2098人に上ると想定しています。人的被害は地震による地すべりなど、斜面崩壊や建物倒壊が原因とされています。

 -糸島市は電子版「いとしま防災まなびブック」を作成していますね。万が一地震が発生した場合の注意点は。

 自宅など屋内では戸を開け、避難経路の確保を。机やテーブルの下に隠れ、机などの脚をしっかり握って。料理中はまずコンロから離れ、揺れがおさまってから火を消して。屋根瓦の落下やブロック塀などの倒壊、電線の断線による感電の危険があるため、あわてて戸外に飛び出さないで。

 地震から命を守るための行動をとるには、市ハザードマップの中の「地震の揺れやすさマップ」で、自分が住む場所の揺れの予測を確認。自宅や職場、子どもが通う学校など、周辺地域の環境を事前に把握し、被害を想定しておくことが重要です。

 家族と話し合い、災害時に「いつ」「誰が」「何をするのか」など、行動計画を具体的に整理したマイタイムラインを作成し、もし震度6強の地震が起きたとき、自分と家族が避難にどれくらい時間がかかり、どのルートを通れば安全に避難所にたどり着けるのかを考えておく必要があります。

 -地震の発生に備え、今できることは。

 大規模災害時には、行政・消防・警察・自衛隊などによる「公助」の機能に限界があります。各自で避難所生活のための「非常用持ち出し袋」や在宅避難用の備蓄食材を準備するなど、まず「自助」から始めること。「共助」では、自主防災組織などで定期的に避難訓練を繰り返し、組織の中の役割分担を確認。隣近所の人たちと顔の見える関係を作り、災害時に円滑に助け合うことができるようにしておくことも重要です。

 能登半島地震の教訓を生かすためにも、まずは一人一人が防災意識を高め、来るべき災害に備えることが大切ですね。

糸島防災まなびポータルサイト マモリンクイトシマ
(https://mamolink-itoshima.jp)

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この記事を書いた人

1917(大正6)年の創刊以来、郷土の皆様とともに歩み続ける地域に密着したニュースを発信しています。

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