大濠公園
県内の神楽を紹介する公演が福岡市中央区の大濠公園能楽堂で催され、糸島市の高祖神楽保存会のメンバー6人が神話を題材にした「国平(くにうけ)」をにぎやかに演じた。
「日本の神様と舞い踊ろう 地域に根付く神楽と神舞」と題し、西日本シティ銀行と福岡文化財団が2月18日に約400人を無料招待して開催。高祖神楽のほか、宇美神楽(宇美町)の「天の磐戸(いわと)」、黒土(くろつち)神楽講(豊前市)の「駈仙(みさき)神楽」、土屋神楽講(吉富町)の「劔舞(つるぎまい)」が演じられた。
国平は、大国(おおくに)主命(ぬしのみこと)の子で「鯛釣り恵比須さま」と呼ばれる事代(ことしろ)主命が登場。神社の奉納の際には、参拝者の中に釣り糸を垂らし、参拝者が釣り針の先に捧げ物をくくりつける習わしがあり、能楽堂の観客席でも再現。酒瓶などを釣り上げてみせ、会場を沸かせた。
保存会の大神辰基会長は「会場には、初めて神楽を鑑賞するという人も多く、伝承されてきた舞やはやしを身近に感じてもらえる機会になったと思う」と話していた。