元岡の「太郎丸」入居者募集
「学生、留学生、ひとり親家庭、障がいのある人、LGBTQ当事者など多様な人が共に理解し合い、支え合う場所になれば」。福岡市西区太郎丸で民家をリフォームした「太郎丸シェアハウス」が入居者を募集している。
JR九大学研都市駅と九州大学を結ぶ道路のほぼ真ん中に位置し、道路を挟んだ向かいには元岡小学校、隣は公民館。最寄りのバス停まで徒歩2分、そこから伊都キャンパスまでバスで5分という抜群の立地環境。「いろんな人生を歩んでいる人との交流を大事にしたい」と運営を担う斧澤英城さん(33)は話す。
保証人、敷金、礼金不要で賃貸のハードルを下げ、社会的に生きづらさを抱える人々にも利用しやすいよう配慮する。少し大きめの個室には家族での入居も想定し、「子育て世代の支え合いにも一役買えれば」。
シェアハウスのオーナーは隣接する松岡歯科医院の松岡奈保子院長(68)。子どもたちが巣立ち、部屋数のある自宅を持て余していたところ、かねてからシェアハウスの運営に興味のあった斧澤さんと松岡さんの娘の上村沙紀子さん(40)がシェアハウスへと生まれ変わらせることを提案。松岡院長は、駅周辺や大学周辺に設備の整ったワンルームマンションが次々と建つ中「少し不便でもわいわいがやがや過ごせる住居の選択肢があってもいいんじゃない」と快く提供。居間に残したピアノは「私自身もここの住人とピアノをシェアする形で関わっていけたら」とほほ笑んだ。3月からは上村さんも定期的に滞在し、受け入れの準備を進めている。
リビングや台所、洗面スペースは共用で、15.3畳から7畳まで様々なサイズの五つの個室は全室カギがついており、プライバシーを維持できる。
共同生活のルールを自分たちで作りながら、共に暮らす仲間を募集する。デッキも備えた約15畳の共用のリビングはイベントでの利用も歓迎。