「充実したが学校生活送りたい」 ―新入生38人 目標に向かって―
糸島市泊に開校した県立糸島特別支援学校(清水満校長)で9日、入学式が開かれた。同校には知的障がい教育と肢体不自由教育の2部門があり、それぞれの部門に小学部、中学部、高等部が設置されている。本年度は小学47人、中学32人、高等17人(1年生のみ)の21学級96人が在籍予定。通学区域は小、中学部が糸島市内、高等部は県内全域としている。
校訓は、ふるさと「糸島」を愛し、小さな「できる」を積み重ね、新たな価値を創り上げていくことを願い、「愛郷」「夢」「共創」とした。校章は、糸島の歴史文化の象徴である銅鏡と「楽しい思い出」が花言葉の市の花「ハマボウ」の花びら、花芯をモチーフに、制作。台座部分で2つの教育部門を表現している。
同校の特徴的な学習の主なものは、心身の健康づくりのため毎朝、運動の時間を確保。働くことの喜びを感じ、自ら行動できるようにと、掃除の時間は児童生徒の発達段階に合わせた内容と方法で、毎日取り組む。
中等部では作業学習、高等部では職業科として、アグリ(農園芸)、フード(食品)、クラフト(軽作業)、クリーン(清掃)の4班を設け、卒業後の就職につながるよう実践的で体験的な学習も行う。
近くに九州大伊都キャンパスがある地の利を生かし、学生ボランティアによる学習支援や留学生との交流、アーティストによるワークショップなど、連携を予定。同校は敷地面積約2ヘクタールで、校舎は3階建て(延べ床面積約9千平方メートル)、最大42教室を確保できる。
体育館や音楽室、保健室などの前には、各部屋を示すサイン(ピクトグラム)があり、自分のいる位置が分かりやすいように廊下の天井の一部分を色分けするなど、工夫を凝らしている。各階には、児童がリラックスできる部屋を設け、トランポリンなどの遊具を備えた自立活動室もある。
入学式では、小中高の新入生38人一人一人の名前を呼んだ後、清水校長は校訓や校章などに込められた意味を紹介し、「職員一同心を込めて、一人一人の良さや可能性を最大限伸ばすことができるよう、全力で取り組んでまいります。新入生の皆さん、ともに学び成長し、新たな学校の歴史をつくるために一緒に頑張りましょう」と言葉をかけた。
新入生を代表し、高等部1年の盛田キィヤンさんは「毎日の積み重ねを大切に、充実した学校生活を送れるように頑張りたい」とあいさつ=写真。お祝いのくす玉が割られ、糸島市のイメージソングも手がけた男性フォークデュオ「唄人羽(うたいびとはね)」が作詞作曲した校歌「翼」もお披露目された。