来月、取材内容報告 量り売りの店など訪問
「ぴーすシネマ」子ども記者が行く
「ぴーすシネマ取材班です」。深々とお辞儀をしながら取材先に手作りの名刺を差し出す小学生たち。4、5人ずつ三つの班に分かれた子どもたちが5、6日、糸島市内各地でプラスチック削減に取り組む企業やお店などの取材に出かけた。
「子どもと一緒に学ぶドキュメンタリー映画」上映会を毎月開催する「ぴーすシネマ」では、5月に海洋プラスチック問題を取り上げた「プラスチックの海(2016年/イギリス・香港)」を上映する。上映会に合わせて、実際にビーチクリーンをし、取材先で学んだことをまとめて発表することになった。映画を観る側だった子どもたちが、回を重ねるごとに運営に興味を持ち、活動を担う側へと成長した。
「プラスチックに頼らない買い物」を考えるチームは、スーパーがない時代の暮らしについて地域の人の話を聞き、同市の前原商店街の「めぐるラボいとしま」にある量り売りショップ「タリルグラム」などを訪れた。
子ども時代の様子を話した村上珠美さん(78)は、自分たちで食べるものは家の裏の畑で作ったり、山や川や海に採りに行ったりしていたことや、朝早くに自転車に乗った豆腐屋さんのラッパの音が聞こえると各家庭から子どもたちがボールや鍋を持って飛び出してきていたことなどを話した。「プラスチックトレーのない時代、どうやって商品を買っていたか」との問いには「たまに出かけた市場では、古新聞や竹皮で商品をくるみ、持参したかごにそのまま入れて持ち帰った」と竹かごを見せながら答えた。
個包装や何重にもプラスチックで包装する現代の商品については「買う側がプラスチックゴミのたくさん出る商品は買いたくないと伝えることや選ばないことが大事」と一人ひとりにできることを伝えた。
「タリルグラム」は、「容器を持参し、自分が必要なものを必要な分だけ買う」システム。オーナーの瀬古さやかさんは「瓶を買って商品を持ち帰り、使い終わって返しに来たらお金を返す」などごみを出さない仕組みを説明した。子どもたちは、カウンターや棚に並ぶ大きな瓶に入ったナッツや塩、乾物などを興味深く眺め、大きな瓶から取り出してもらった塩昆布などの商品を味見して「おいしい!」と歓声。瀬古さんは「量り売りはおいしいし楽しい。小さいながらも地球環境に貢献できているのがうれしい」と笑顔で語りかけた。