高祖神楽
糸島市の高祖山山腹に広がる鎮守の森に鎮座する髙祖神社。フクロウの「ホー、ホー」という鳴き声が木立に響き渡る夜中、神楽殿に三々五々、人が集まり始めた。高祖神楽保存会の神楽師たちだ。毎月2回、神楽殿で稽古を行い、550年ほど前に京から伝わったとされる文化遺産を守り続けている。
神楽殿に明かりがともされ、笛や太鼓のはやしと共に舞が始まると、真っ暗だった境内が一気に華やぐ。普段着で面を付けずに行う練習だが、その所作は本番を観ているように格調高い。
28日は同神社の春大祭。午後2時から神楽の奉納があり、岩戸開きなどの演目や、小中学生による子ども神楽、怡土中央台保育園の園児による稚児舞がある。保存会会長の大神辰基さんは「神楽を通し、ぜひ、神々の世界に浸ってみてください」と話していた。
(写真愛好家・大久保義昭)
◇
日本風景写真協会会員、糸島写真愛好会代表。毎月1回、ミニ写真教室「糸島フォトクラブ」を開催。