西日本新聞セレクトモール
アーティスト、大川博さんによる本紙の風景画連載「糸島八景」の7回目、雷山千如寺「大カエデ」をテーマにした作品販売が西日本新聞セレクトモールで行われている。インターネットで通販が楽しめるショッピングモールで、電話でも受け付けている。
連載は毎月1回。光の移ろいによって、表情をさまざまに変えていく糸島の風景を連作で表現。今回は、雷山千如寺の「大カエデ」が葉の色を鮮やかに変えていく様を幻想的な6枚の絵で表現し物語を編んでいる。
電子ペンで描いたデジタルペインティング。リトグラフ風に仕上げたデジタルペインティングにして額装。
100枚限定でエディションナンバーをつけ、落款を押している。
《価格(税込)》
1枚(額装)送料込み …1万2千円
4枚セット(額装は1枚のみ)…3万5千円
6枚セット(同) …5万円
ご購入の申し込み
西日本新聞セレクトモール
電話 092(558)8127(平日午前10時~午後5時)
※電話によるお申し込みは10月29日以降
URL セレクトモールのウェブ
―五百羅漢の心、大カエデに映り 雷山千如寺―
紅葉の名所として知られる福岡県糸島市の雷山千如寺はインドの僧、清賀上人が建立したと伝わる。開山は1300年ほど前。この地には、かつて寺坊が300を超えていたという。雷山千如寺の杉木立には、仏道の修行者である五百羅漢像が安置されている。雷山千如寺には、樹齢400年あまりのカエデが植わっている。カエデの寿命は一般的に200年といわれるが、およそ倍の寿命。日々、僧たちの祈りの声を聴いている大樹である。
1 青もみじ 薄緑の葉に若々しさ
春になれば、大カエデは葉を茂らせ始める。どっしりと張った根から水や養分を吸い上げ、太い幹から枝葉に養分を行き渡させる。その葉は薄緑色で、長寿にもかかわらず若々しさすら感じさせる。
2 黄紅葉 精いっぱいの営み
色あせていくのではない。そのとき、そのときの、最も美しい姿を表しているのである。自然は、いつも精いっぱいの営みをしている。
3 橙紅葉 命を受け継ぐ姿見せ
美しさとは、どのように生まれてくるのだろう。葉に含まれる栄養素は翌春のため、幹や枝に回される。その過程で起きる色の変化。命を受け継いでいく姿は美しい。
4 赤紅葉 寒さが鮮やかさを生み
秋になれば、大カエデは赤子の手のような葉を赤く染め上げる。日差しを浴び、寒い日が続くと鮮やかになるといわれている。その美しさはしばし時を忘れさせる。
5 色即是空 五百羅漢の世界現れ
葉を落としていく大カエデ。心に焼き付いた鮮やかな世界が、やがて消えていく。色即是空を感じるとき、五百羅漢の心を思い起こす。
6 空即是色 心に映る美しさ
やがて、冬を迎え、もみじは葉を落とし、枝と幹だけとなる。残された太い幹と枝は大樹の勁(つよ)さを感じさせる。空即是色。大カエデの美しさが心の中に映る。