アーティスト支援活動が評価
糸島市二丈松末で「アーティスト・イン・レジデンス」を運営する松﨑宏史さん(45)が、県文化賞・社会部門を受賞し20日、月形祐二市長を表敬訪問した。松﨑さんは「誰かに評価されることだとは思っていなかったので、見て下さっている方がいると分かり、とてもうれしいです」と喜びの声。海外からのアーティストが一定期間糸島に滞在して、創作活動を行う「アーティスト・イン・レジデンス」の活動や、アートを媒体として糸島の食や農業などを表現し、地域と作家が共につくりあげていく芸術祭などの活動で、個性豊かで潤いのある地域社会つくりや文化交流の発展への貢献が評価された。
松﨑さんは地元・二丈松末で生まれ育ち、芸術系の大学を卒業後、海外で学びを深めた。世界各国のアーティスト・イン・レジデンスで活動を続ける中で、「日本に行きたい」という芸術家の声に後押しされ、実家の蔵を拠点として活動を開始。2009年、アートカンパニー「Studio Kura」を設立した。国内外の芸術家を招き、創作活動を支援しながら、地域住民を対象に絵画造形教室を開くなどして、地域における文化交流を深めてきた。
滞在アーティストたちは1~3カ月の間、同スタジオを拠点に、創作活動を行い、その成果を月末の展示会「オープニング」で公開する。「海外アーティストが、自分たちには見慣れた風景を違った視点で表現してくれ、地域再発見の機会となる。気軽に立ち寄って楽しんでほしい」と松﨑さんはほほ笑む。
市は25年度内を目標に「文化芸術推進基本計画」を策定し、文化芸術の活性化に力を入れる方針。松﨑さんは「文化は時間がかかるもの。気負うことなく、末永く続けていきたい」と意気込みを語った。
(糸島新聞社ホームページに地域密着情報満載)