AIによるマッチングアプリやイベントが出会いのきっかけとなり、お世話好きな人々が結婚を後押しする-。そんな「ハイブリッド」な婚活を進めるいとしま結婚応援団。糸島の魅力を体感できる婚活イベントを企画し、「糸島を大好きな人たちをお結びしたい」という思いを胸に活動する同応援団が、喜びに沸く「理想的な」カップルが誕生した。糸島で出会い、糸島で暮らし、そして糸島で生計を立てる。20組という節目に誕生した吉松さん夫妻を紹介する。
出会ったその日から意気投合
糸島の自然に囲まれて、新しい生活を始めた吉松誘佑さん(43)と佳子さん(44)。糸島市志摩で農業を営む誘佑さんと、福岡市で育った佳子さんは、いとしま結婚応援団のイベントをきっかけに運命的な出会いを果たした。農業未経験だった佳子さんも、今では保育士をしながら畑仕事を楽しみ、糸島の地で新たな暮らしを築いている。
福岡市の博多駅付近で育った佳子さんは、新婚生活を始めた誘佑さんの実家で夜中目を覚ました時「目を閉じても開いても真っ暗!何が起こったのかと慌てた」と糸島の夜の暗さに驚いた思い出をおかしそうに語った。今では「静かだし、星はきれい。季節ごとの山や田畑の移り変わる様子も美しいし」とすっかり糸島の暮らしに魅了される。
出会いのきっかけは、2023年7月に深江観光ホテルで行われた同応援団のBBQイベント。「海がきれいで気持ち良かったね」と、出会ったその日からすっかり意気投合し、頻繁に連絡を取り合うように。そして2週間後には県外デートを楽しんだ。「普通、最初のデートはお茶程度が多いのに、よっぽど気が合ったんだと思います」。同応援団事務局長の馬場純子さんもその打ち解けぶりに驚きを隠さない。さらに9月末には、誘佑さんの祖母宅(糟屋郡)での稲刈りを2人で手伝い、親戚たちの質問攻めにも笑顔で応じた。こうして家族の絆も深まる中、昨年8月糸島市役所に婚姻届けを出した。
目を閉じても開いても真っ暗!
現在、誘佑さんは両親とは別に、約3ヘクタールの農地でタマネギなどの野菜を育て、直売所「伊都菜彩」などに出荷する。市内の保育園で保育士として働く佳子さんも、休日に農作業を手伝う。誘佑さんは「夏は熱中症になりそうになるまで作業をしてしまうこともあって、頑張りすぎるのが心配。無理をせずぼちぼち一緒にやっていこう」と優しく語りかける。
夏には、博多区に住む小学4年生のめい、北田琴芽さん(9)が遊びに来た。予定では2泊の滞在が「帰りたくない!」と10日間に延長。誘佑さんの穏やかな人柄にすっかりなついて、秋には芋掘りや旅行も一緒に楽しんだ。
広大な大地と星空に見守られながら、2人はこれからもあたたかい日々を紡いでいく。
(糸島新聞社ホームページに地域情報満載)