布工房 ippon
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3月3日の桃の節句を前に、糸島市ののどかな里山にある布工房ipponで、小さなひな人形づくりが行われている。工房の岡本理香さんが指先のきめ細やかな作業で、ほほえましい人形たちを仕上げている。
木目込(きめこみ)と呼ばれる技法を使い、桐(きり)の木粉と水のりを混ぜて作った土台の形を整え、ヘラを使って、えりや袖、帯などの輪郭線を描くように小溝を彫っていく。数日間乾かして堅い木材のようになってから、土台の小溝にのりを入れ、そこに目打ちを使って、ちりめんの古布の端を入れ込み、衣装を着せていく。
香合や小物入れに入るほどのサイズの人形もあり、手のひらに載るような器をひな壇に見立てて鑑賞できる。日本の伝統的な雰囲気を感じさせながら、新しさを追求したひな人形だ。
(写真愛好家・大久保義昭)
(糸島新聞社ホームページに地域情報満載)