地域防災力の向上目指す
各行政区の実態に即した計画作成推進
旧前原市(現・糸島市)などで最大震度6弱を記録した福岡県西方沖地震から、20日で20年を迎える。地震の記憶を風化させず、日ごろから「自分や家族の命は自分で守る」という防災意識を強く持ち、いつ起こるか分からない災害に備えておくことが大切だ。
2005年3月20日午前10時53分ごろ、福岡市の北西約20キロの玄界灘を震源とするマグニチュード7.0の断層型地震が発生。前原市、福岡市(東区、中央区)、佐賀県みやき町で震度6弱を観測。ブロック塀の倒壊で1人が亡くなり、千人以上が負傷したほか、家屋の全壊・半壊、一部損壊が多数発生。糸島1市2町(旧前原市、志摩町、二丈町)では重傷者15人、軽傷者45人、半壊42棟、一部損壊2,434棟などの被害が出た。






万が一、大規模地震などの災害が起きた場合、被害の拡大を防ぐには、行政などによる公助だけでなく、自分は自分で守る自助とともに、近隣の人たちが力を合わせる共助が必要不可欠だ。
糸島市では、11年の東日本大震災を契機に、市内全164行政区で自主防災組織が結成され、避難訓練や防災研修会などに取り組んでいる。市は、自主防災組織の活動に対し、さらに実効性を持たせることを目的に、各行政区の実態に即した地区防災計画の作成を推進。
同計画には、自主防災組織の役員や連絡体制、地域の危険箇所や避難ルートなどを示したマップのほか、「防災無線が聞こえない」「土砂災害の危険性がある」「避難経路が少ない」など、災害における地域ごとの課題に対して「いつ」「だれが」「どのような対応をするのか」などを示した行政区タイムラインを盛り込んでいる。
今後は、計画に基づいて防災活動を行い、必要に応じて計画を見直すなど、地域防災力の向上につなげるとともに、地域のつながりを強める役割を果たすことが期待されている。
市危機管理課は「地域コミュニティがしっかりしているところほど防災力も強く、災害時の混乱を避けることができる。計画を基に、避難訓練などの防災活動を積み重ねることが重要だ」と強調した。
(糸島新聞社ホームページに地域情報満載)