【糸島市】糸島農高を食育の拠点に

地域開放型食堂の調査継続など確認

研究成果の報告発表会

 学食がない糸島農業高(糸島市)で、食育の拠点となる地域開放型食堂の開設を目指す「糸農食育道」について、同高の生徒が1年間の研究成果を報告する発表会が2月26日、市役所市民ホールで開かれた。

糸農食育道について研究成果を報告した生徒たち

 糸農食育道とは、持続可能な社会に不可欠な「農業」や「食」について学ぶ同高の特色を生かし、“食の発信、共同研究、イベント、交流・情報共有”をキーワードとした「食のネットワーク」づくりを目指す取り組みのこと。

 発表会では、中心となって活動してきた3年生7人が、そね幼稚園(同市井田)の園児と一緒に田植えや稲刈りをしたり、深江小(同市二丈)の3年生が育てた野菜で伝統料理「そうめんちり」を作って食べたり、中村学園大学(福岡市城南区)と連携し、小学生を対象に「親子ピザづくり教室」を開催したことなどを紹介。また、同高で開催した「いとのうマーケット」などで、「地域が求めている食の拠点とはどのようなものか」などについてアンケート調査を実施。「食文化や食育に関する研究や普及活動のための場が必要だと思うか」との質問に86%が「必要」と答えたことなどを挙げ、「糸島地域全体で食をテーマにした活動を推進する重要性が浮き彫りになった」と説明した。

 生徒たちは「より多くの人々が食を通じて学び、交流できる場を提供するために、私たちは、地域開放型食堂について今後も調査研究を続ける。この食堂は、単なる飲食の場ではなく、地域の生産者、企業、学校、行政が連携し、糸島の食材を活用した食事を提供する学びの場としての機能を持たせることを目指す」と宣言。2年生6人に研究を引き継いだ。

 発表会には、県や九州大など約20人の関係者が参加。月形祐二市長は「地域開放型のレストランというアイデアがうまくいけば、糸島モデルとして同じ問題を抱える地域にも発信をしていけるのではないか。2年生の皆さんは3年生の姿をしっかりと目に焼き付けて、その思いを引き継いでほしい」と期待していた。

糸島新聞社ホームページに地域情報満載)

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