二丈の龍国寺 糸島移住者ら
東日本大震災から14年目を迎えた11日、糸島市二丈の龍国寺で追悼法要が営まれた。震災による津波や原子力災害で故郷を離れざるを得なかった人々など、さまざまな事情で糸島へ移住してきた人々や地域の人などが、住職の読経に声を合わせ、祈りをささげた。

法要は午前10時から5回に分けて行われ、参加者は経本を見ながら30分にわたり読経を続けた。副住職の甘蔗健仁さんは「震災から14年が経った今も、故郷に戻れない人や、大切なつながりを断ち切らざるを得なかった人が多くいる。そんな悲しみを抱えている人たちが手を合わせる場になれたらと思う。また、自らの生き方を見つめ直す機会となれば」と話した。
同寺では、2021年から追悼法要を続けており、これまでは短い読経に加え、座禅や写経を通じてそれぞれが内観する時間を共有してきた。今年は「読経で声を合わせることで前を向き、新たな一歩を踏み出してほしい」という思いを込めた。
震災後、家族で糸島に移住した大野美香さんは「みんなで声を合わせて読経することで祈りが広がっていくのを感じた。供養の気持ちを忘れず、震災を乗り越えて生きる人たちが癒やされ、明日を生きる力になれば」と話した。
(糸島新聞社ホームページに地域情報満載)