「冬季五輪出場目指したい」
全日本STスピードスケート選手権
全日本ショートトラックスピードスケート選手権大会(1月11、12日・長野県帝産アイススケートトレーニングセンター)女子500メートル、1,000メートルで、糸島市出身の黒川輝衣さん(24)=ヨコハマタイヤジャパン=が優勝した。女子1,500メートルでも4位に入り、初めて総合優勝に輝いた黒川さんは21日、糸島市役所を訪れ、月形祐二市長に「イタリア・ミラノで来年2月に開催される冬季五輪出場を目指したい」とにっこり笑顔で宣言した。

ショートトラックは1周111.12メートルのだ円のトラックを周回し、着順を競う競技。コースの奪い合いで選手同士が接触したり、目まぐるしく順位が入れ替わったりと、スリリングなレースが展開される。
黒川さんは、南風小4年生のときに県のタレント発掘事業に参加し、いろいろな競技を体験する中でスピード感に魅了され、小6でショートトラックを始めた。

前原西中2年のとき、全日本ノービス&ジュニアカップ・ショートトラックスピードスケート選手権大会第2戦で総合優勝、年間ランキング1位にも輝いた。練習環境が整った東京の武蔵野高を卒業後、ヨコハマタイヤジャパンに入社。
一昨年の全日本選手権の500メートルは2位だったが、昨年の同大会500メートルで初優賞。今回、500メートル連覇、1,000メートルで初優勝。500メートルは大会新記録を更新(43.5秒)し、黒川さんは「今まで調子のいい時に出ていたラップタイムが、今は当たり前のように出せるようになってきている。トレーニングの効果とフォームに対する考え方が深まったことで再現性が高まり、いい状態をキープできるようになってきたと思う」と手応えを感じている。

同大会で好成績を残したことで、国際大会への出場権も獲得。ワールドツアーの第5戦(オランダ・ティルブルフ、2月7日~9日)、第6戦(イタリア・ミラノ、同14日~16日)に続き、世界選手権(中国・北京、3月14日~16日)にも出場。冬季五輪のテスト大会となったミラノでは「会場の雰囲気とか、氷の状態とか、周りの生活環境とか、本当にいろんなところを観察していっぱいメモってきた」と黒川さん。「この会場でオリンピックが実際に行われるんだと思うと、またここに戻ってきたいっていう気持ちが強かった」と素直な感想を述べた。
来年2月の冬季五輪に向け、「トップスピードが世界との一番の差なので、しっかりそこにフォーカスを当ててトレーニングしたい」と語り、「日本のショートトラック界を盛り上げたい、日本のレベルを上げたいっていう気持ちで取り組んできた集大成として、オリンピックの切符を勝ち取って、ミラノで活躍したい」と意気込みを語った。
(糸島新聞社ホームページに地域情報満載)