太陽の恵みを浴びて鮮やかに色づくトマト。おいしさを追求する情熱と、地元糸島で育んだ仲間との縁を力に、「かわぞえ農園」は歩みを進めている。

「オーナーが『何でも好きにやってみたら』と言ってくれる」と笑顔で話すのは、農園従業員の矢野紗代さんで、オーナーの川添康裕さんとは小学校時代の同級生。矢野さんは元保育士の経験を生かし、温かみのあるポップや農園のマスコットなどを制作。トマトの出張販売や個人宅への配達などを通じて、人とのつながりを大切に育んでいる。

「ここまで来られたのも、幼い頃からの友達みんなが力を貸してくれたおかげ」と、しみじみと語る二人。農園の加工品製造には栄養士として働く同級生が協力し、昨年秋に新宿伊勢丹で開催された食イベントへの出店には、東京の食品商社で働く同級生が尽力した。そして今年、香港でシェフをしている同級生が縁をつなげ、現地のレストランや百貨店へのトマトの出荷が決まった。
「今後も、先輩たちが築いてくれた『糸島ブランド』と人とのつながりを力に、農園を発展させていきたい」。川添さんたちの挑戦は始まったばかりだ。
(地域特派員・榮鮎子)
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