棚田や遊休地の作業負担を軽減
瑞梅寺中山間集落協定事業
糸島市瑞梅寺でヤギを活用した草刈りの実証事業が始まり、入牧式が5月25日に行われた。瑞梅寺中山間集落協定事業の一環で、棚田や遊休地の草刈り作業の負担を軽減することを目的とする。
自然豊かな山村である瑞梅寺では、高齢化が進み、地域全体での労働力が少なくなる中、棚田の除草が大きな課題になっていた。1月に住民を対象に実施したアンケートでも「草刈りが大変」との声が多く寄せられた。2月に事業の関係者が八女市黒木町を視察し、ヤギによる棚田での草刈り成功事例を参考に、瑞梅寺でもお試しで事業を行うこととなった。

除草にあたるヤギは、伊東山秀水さん(70)が飼育する3頭で、2年前から地元で草刈りの実績がある。今回は志賀神社近くの遊休地約1反で、週に3~4回ヤギを放牧する。近隣に民家があるため、鳴き声など生活環境への影響についても検証する。
ヤギは1頭がオス、2頭がメスで、いずれも性格は穏やか。伊東山さんは「スギナやクズカズラ、木の小枝や葉っぱが好物ですね」と、旺盛に草を食べるヤギを温かく見守った。

事務局の井上稔信さん(77)は「遊休地がやぶになると、イノシシがすみついてしまう。ヤギの助けを借りて、少しでも住民の負担を減らせれば」と期待を寄せた。
(糸島新聞社ホームページに地域情報満載)