ハローピースアクト 子どもに紙芝居
糸島市や福岡市の子どもたちが毎年8月に平和劇を行う団体「いとしまハローピースアクト」が今年の公演を前に、糸島市志摩の可也コミュニティセンターで13日、平和について考えるワークショップを開いた。

講師を務めたのは、糸島市内でイベント企画を行う「Sally企画」の友納美千代(通称・サリー)さん。「サリーのおはなし会」と題し、戦争の悲惨さや命の尊さについて子どもたちと一緒に考えた。太平洋戦争中に、上野動物園の象が殺処分を受けた実話をもとにした大型絵本「かわいそうなぞう」や、戦争の悲惨さを訴える紙芝居「二度と」の読み聞かせを行った。子どもたちは身を乗り出すように話に聞き入り、紙芝居の最後には「ノーモア広島、ノーモア長崎」と皆で声を合わせて、平和への思いを強くしていた。
同団体は8月9日、伊都文化会館(糸島市前原東)で平和劇「とうちゃんのピアノ~或(あ)る子どもたちの話~」を上演する。原爆で親を亡くした子どもの役を演じる渡邊はるさん(9)は「紙芝居の中の子と自分の役が重なって、戦争の怖さがよく分かった。演技にも生かしたい」と語った。
代表の伊藤迪佳さん(22)は「子どもたちが戦争を自分の問題としてとらえ、平和の大切さを心から伝えようとしてくれたらうれしい」と話した。
会場には、1927(昭和2)年に可也尋常小学校(当時)にアメリカから贈られた青い目の人形・ルースや、戦死した夫への思いをつづった「70年目の恋文」の著者である大櫛ツチエさんに関する資料が展示されていた。
(糸島新聞社ホームページに地域情報満載)
絵解き・絵本「かわいそうなぞう」の読み聞かせをする友納美千代さん(写真右)