博多祇園山笠に挑戦
博多を代表する伝統行事「博多祇園山笠」が15日早朝、クライマックスである「追い山笠(やま)」を迎えた。福岡市内に活気がみなぎるなか、玄洋高校の3年生2人が体当たりで祭りに挑戦。地域の人とともに盛夏の街を駆け抜け、一回り成長した姿を見せた。
同校では昨年から、博多祇園山笠の「中洲流」に生徒が参加。今年は、3年の中村航太朗さんと松尾源喜さんが挑んだ。追い山笠までの1週間、2限まで授業を受けた後、博多へ向かい、夜8時、9時まで山笠の準備や練習に参加する日々が続いた。

取材に応じてくれたのは、祭り翌日。夜通しの準備と早朝の追い山笠を終えた後、そのまま登校し、6限目まで授業を受けたという2人。帰宅後は大の字になって眠りこけたものの、すでに「来年も参加します!」と次を見据えていた。
締め込み姿も初めて。周りはベテランばかりで、同世代や年下の中学生もてきぱきと動く中、最初は緊張で立ち尽くすこともあったが「周りの人たちがやさしく声をかけてくれて、次第に自分から仕事を見つけて動けるようになった」と少し誇らしげな表情も見せた。
2人が最初担ったのは、山笠を後ろから押す「後押し」の役目。交代の声がかかるまで走り続ける。数日経つと、山笠を肩で支えて走る「舁(か)き手」にも挑戦。1トンを超える山笠を、前後24人で担いで走る。「こけたら後ろから来る後押しの下敷きになる」と最初は恐怖心もあったが、先輩たちのアドバイスに従い、体で流れを覚えていった。「山笠を舁くという、一つの目標に向かい、いろんな世代の人と協力し合う楽しさ」「沿道の観客からの熱い眼差し」-。照れ笑いしながらも、その魅力を次々に語った。
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