株式会社糸島みるくぷらんと㊤ 代表取締役 宮﨑 英文さん(77)
このコーナーは、九州大学のインターン生が糸島エリアで活動している企業や団体を取材し、その魅力を紹介します。今回は、芸術工学府修士2年、北垣玲音が株式会社糸島みるくぷらんと代表取締役の宮﨑英文さん(77)に、地元の酪農を大切にしながら、のむヨーグルトや低温殺菌牛乳などを「伊都物語」というブランドで、誇りをもって製造販売している事業展開についてお話をうかがいました。

-会社の設立は1992年とのことですが、その経緯について教えてください。
「私も当時は酪農をしていましたが、牛乳の需給のバランスがとれていなくて、生産が過剰気味でした。健康に育てた牛からしぼった牛乳を余らすのではなく、どうにかして活(い)かしていきたいという気持ちから、糸島の酪農家たち自らが牛乳の消費拡大を図っていこうと思い立ちました。そこで、まずは委託製造で牛乳を製品化し、販売の取り組みを始めました」
-製品づくりには、酪農家ならではのこだわりというものがあるのでしょうか。
「やはり、安心・安全な『本物』の乳製品を届けることに、ずっとこだわってきています。私も酪農をしていましたから、当社に牛乳を届けてくれている酪農家さんたちとは、日ごろから顔の見える関係ができています。たっぷりと愛情を注いで牛を育てているのが分かっていますから、その牛乳を使うことで、自信を持った商品づくりができています」
-委託製造と併せて、福岡市西区周船寺の工場でも生産を行うようになり、現在は糸島市篠原に工場を移転されています。どのような狙いで、新たな工場を設けられたのですか。
「工場は2017年に移転しました。周船寺の工場では、のむヨーグルトのみの製造でした。『自分たちの手で、よりこだわりを持って、全ての製品づくりをしたい』という思いが強くなり、新工場によってそれがかないました」
-伊都物語のノンホモ牛乳には、とてもこだわりがあるそうですね。
「ノンホモ牛乳は、低温殺菌で時間をかけて作った牛乳で、『しぼりたてに近い味わい』が特徴です。時間がかかる分、大量に作ることはできないのですが、当社ではヨーグルトと牛乳を合わせ、1日に1~3トンほど製造しています。ほんのりと甘い『本物の味』が楽しんでいただけます」
-「伊都物語」の今後の展開をお聞かせください。
「私は『引き継ぎの世代』だと思っています。本物を、安心・安全な状態で届けるという心を、これからも変わらず、次の世代に伝えていきます。そうすることで、『伊都物語』は、ずっと誇れるブランドとしてあり続けると思います」

次回は、さまざまに展開される「伊都物語」の商品づくりについて広報担当の高田史代さん(50)にお話をうかがいます。
(糸島新聞社ホームページに地域情報満載)