900人の舁き手が、「オイサ、オイサ」
糸島市前原地域の夏の風物詩「前原山笠」が7月25日に行われ、街中を熱気に包んだ。
前原中央にある老松神社の夏越祭に合せて行われ、前原地域の九つの行政区から大人山笠7台、子ども山笠9台が参加。大人、子ども合わせて約900人の舁(か)き手たちが、「オイサ、オイサ」の勇ましい掛け声を響かせながら、糸島警察署前から市役所までの約800メートルを駆けた。

出発式では、同神社の神様を舁き山笠(やま)に移す神事が行われた。締め込み姿の月形祐二市長は「糸島の元気を全国に届けよう!」と力強く呼びかけると、舁き手たちは「おー!」と声をそろえて応えた。一番山の北新地が出発すると、各町が6分間隔で次々にスタート。沿道では住民らが勢(きお)い水を浴びせたり、水法被姿の舁き手や子どもたちに冷たいお茶や菓子をふるまったりした。
東町は、日本文化語学院のネパール人の留学生24人が参加し、掛け声を合わせながら日本の伝統文化を体験。「めっちゃたのしい」と満面の笑顔で語った。また、例年参加している糸島高校運動部からは約150人が参加。バレー部1年の桝本歩睦さん、村松昴さん、中村佑希さんは「きつかったけど、山笠を舁くと気合いが入った。みんなと協力して楽しめた」と充実感をにじませた。

前原山笠はかつて、7月24日の火伏地蔵祭と25日の老松神社夏越祭の2日間にわたって運行。新型コロナ禍以降、人手不足や猛暑への配慮から1日開催に変更され、今年で3年目を迎えた。
今年の当番町である北新地の日髙徳治行政区長は「歴史ある前原山笠をこれからも継続していけたら」と語り、地域の伝統行事を守り続ける思いを新たにしていた。
(糸島新聞社ホームページに地域情報満載)