氏子ら北山神社で夏祭り
北に可也山、眼前には加布里湾が広がる糸島市志摩小富士の北山神社で7月15日、五穀豊穣(ほうじょう)と夏の無事を願う夏祭りが行われた。氏子たちが丁寧に掃き清めた境内には石の祠(ほこら)がたたずみ、志々岐神社の御床治之宮司による神事が厳かに執り行われた。
日が暮れると、手作りの灯籠(とうろう)や提灯(ちょうちん)に明かりがともり、海を背景に幻想的な光景が広がった。

この祭りは同神社の年に一度の行事で、かつては、神前にござを敷き、お酒を酌み交わしながら弁当を囲む「直会(なおらい)」や、子どもたちが灯籠の絵を描いたり、かき氷や花火の夜店を出したりと、にぎわう姿が見られた。コロナ禍以降は子どもの参加が減ったものの、70代の氏子たちが中心となり、伝統を守り継いでいる。
昨年から、途絶えていた夜の灯籠を復活させ、少しずつにぎわいが戻りつつある。
「派手な演出はなくても、素朴で温かいこのお祭りが、地域の人々をつなぐ場としてこれからも続いてほしい」と地元住民は願いを込める。
(糸島新聞社ホームページに地域情報満載)