糸島市 24年度も過去最高更新
2024度、糸島市に寄付されたふるさと納税はおよそ25億7,700万円(速報値)で、20年度(11.3億円)から5年間で2.27倍となり、過去最高を更新した。一方で寄付件数は10万4,262件と、前年より約7,700件減少。市は「寄付単価が上昇し、総額は増加した。近年は物価高騰もあり、寄付件数の減少は、米や肉など日常使いできる『定期便』への寄付が増えたことが原因」と分析する。

寄付者の地域別内訳では、関東が47.0%と約半数を占め、次いで関西が18.6%、中部13.4%、九州・沖縄10.1%と続く。
返礼品は4,000品を超え、登録事業者は350超に上る。肉や魚介類、スイーツなどの食料品が全体の7割以上を占め、本年度(4月~7月上旬)の人気の返礼品は①[訳あり]糸島の酒と醤油の辛子明太子1キロ(やますえ)②生ウインナー5種+生ハム詰め合わせおすすめギフトセット(糸島手造りハム)③博多華味鳥の水たきセット3~4人前(トリゼンダイニング)。
市企画秘書課は「一度に冷蔵庫に入りきらない」という声を受け、定期便のラインナップを充実。米や肉、卵など、定期便寄付総額は23年度より1.46億円増え、6.8億円に達した。寄付を受け付けるサイトも4サイトから24年10月に12サイトに拡大。返礼品が目に留まる機会を増やし、新たな寄付層の獲得につながった。
ふるさと納税による寄付金は、「糸島市にとって貴重な財源」(月形祐二市長)となっている。24年度は寄付総額約25.7億円に対し、返礼品の購入費や業務委託費などを差し引いた純収入は約12億9,500万円で、寄付者の希望に合わせて子育て支援など約190の市民サービス向上施策の財源に充てられ、深江小の校舎を始めとした学校施設の改修や、ボール遊びのできる公園整備事業、学校給食費支援事業などに使われた。
市は「市内事業者の返礼品が購入されることで、地域経済の活性化につながっている。登録事業者向けの支援、スキルアップセミナー、撮影会なども継続し、新規事業者の参入や返礼品の質向上に力を入れる」としながら、さらに「体験型の返礼品(宿泊券やゴルフチケットなど)の開発にもより一層力を入れ、寄付者が実際に糸島を訪れ、地域とつながる“関係人口”拡大を目指す」とし、「新たな価値創出でさらなる発展を目指したい」としている。
(糸島新聞社ホームページに地域情報満載)