【糸島市】満月の夜 五穀豊穣に感謝

志登神社で秋の例大祭

 中秋の名月が夜空を煌々(こうこう)と照らすなか、糸島市志登の志登神社で6日、秋の例大祭が厳かに執り行われた。

 拝殿には約50人の地域住民や佐賀、長崎など県外からの参拝客が集い、10月末に伊勢神宮で行われる神嘗祭(かんなめさい)にならって、五穀豊穣に感謝する神事が斎行された。

くじ抽選会でお米を引き当て笑顔満開

 祝詞奏上の後には、紅の鮮やかな装束に身を包んだ宮崎多恵権禰宜(ごんねぎ)が姫舞を奉納。月明かりに照らされた境内に虫の音が響く中、参拝者は神聖な舞に静かに見入った。

 続いて、神社の注連縄(しめなわ)用に栽培された稲の新米や、来年の干支の置物などが当たるくじ抽選会が行われた。当選番号が読み上げられるたびに歓声やため息が交錯し、境内は和やかな空気に包まれた。

 志登に住む木下壮史さんは、小学4年生の拓海くんと年長児の暁登くんの2人の子どもを連れて恒例の参拝に訪れた。「五穀豊穣(ほうじょう)を感謝しました」と語る木下さん。その思いが届いたのか、くじでは子ども2人が3キロのお米を引き当てた。拓海君は「神様からいただいた」と満面の笑みを浮かべ、袋をしっかりと胸に抱えて帰路についた。

 志登神社総代の岩隈道生さんは「神嘗祭は『神社のお正月』とも呼ばれます。昔は農家が新米で甘酒を作り、お祝いしたものです」と、一年で最も大きなお祭りを終え、安堵(あんど)の表情を見せた。

糸島新聞社ホームページに地域情報満載)

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