TPOを意識し「自分らしさ」発見
生徒がTPO(時、所、場合)を意識して登校時の服装を選ぶ「マイスタイルデイ」が、糸島市の前原東中学校で行われた。標準服に限らず私服での登校を可とする取り組みで、市内の中学校で初めての試み。9月の第1回目に続き、11月は4日間にわたり2回目を実施した。校内には落ち着いた色合いの私服やスポーティーな装い、体操服や標準服など多様な「自分らしさ」が見られた。

同中では、ブレザーやスラックス、スカートなどの標準服を季節や環境に応じて着用するのが原則。今回の取り組みは、TPOについて考えるきっかけにするとともに、服装を話題に会話が広がる場にしようと生徒会生活委員会が提案。学校側は生徒の自主性を尊重し、実施を認めた。
11月26日、えんじ色のトレーナーと黒のズボンという私服で登校した山下優斗さん(15)は「朝に色合わせを少し考えた」と笑い「洋服にはその人の個性が出るので、友達の新しい一面が見えた」と話した。

標準服を選んだ山﨑優希乃さん(14)は「好きな服装だし、朝に迷わないのが楽。私服だとどうしても人の目が気になる」としつつ「強制ではなく、自分の好きな格好ができるのはいいと思う」と評価した。
生徒会の集計では、9月は約7割、11月は約6割の生徒が私服で登校。生活委員長の米谷桂さん(15)は「『普段と違って楽しかった』という声や、標準服の良さを再確認する意見もあった。身だしなみについて見直す良い機会になったと思う」と振り返った。
生徒会担当の安永望教諭は「大人になっても時と場所を考えて行動することは大事。今回は服装を通して自分で考え判断しようとする姿が見られ、今後につながる経験になったと思う」と語った。
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