【糸島市】パラ柔道の瀬戸選手(九星飲料)「金メダル届く位置に」

糸島市長訪問に

 パリ・パラリンピックの柔道男子73キロ級(弱視)に出場する瀬戸勇次郎選手(24)=九星飲料工業=を応援しようと4日、同社と修猷館高校、福岡教育大合同による壮行会が、中華料理店「八仙閣」本店(福岡市博多区)で開かれた。7月29日には糸島市役所を訪れ、東京・パラリンピックの柔道男子66キロ級銅メダリストは月形祐二市長に、「糸島に金メダルを持ち帰りたい」と意気込みを語った。

「金メダルを持ち帰りたい」と語った瀬戸選手(左)

 瀬戸選手は、先天性の弱視。兄の影響で、4歳のときに波多江柔道スポーツ少年団に入団。修猷館高の副将として金鷲旗柔道大会に臨む姿を紹介した西日本新聞の記事が、日本視覚障害者柔道連盟の関係者の目に留まり、2017年の全国視覚障害者学生柔道大会・男子66キロ級で初出場初優勝。

 福岡教育大4年の時に初めて挑戦した東京大会では、3位決定戦で一本勝ちして銅メダルに輝いたが、「3年後のパリではもっと良い結果を残したい」との思いが込み上げた。

 だが東京大会後、全盲と弱視にクラス分けされ、男子は7階級から4階級に絞られる大幅な変更があり、66キロ級がなくなったことから、73キロ級に階級を上げた。

 組み合った状態から始まる視覚障害者柔道で体格差の影響は大きく、22年から23年にかけて成績が振るわなかった時期もあったが、筋力トレーニングメニューを週3回行い、野菜やタンパク質を多く取り、脂質を減らすなど食事面にも気を配ってきた。結果、平時70キロほどだった体重は77.8キロまで大きくなり、「身体ができてきた。パワーが互角以上になれば、得意の背負い投げが入る」と語るように、23年12月と24年2月、同年5月のグランプリ大会で優勝。現在の世界ランキングは1位。

 23年1月に地元の九星飲料工業に入社。同年4月に筑波大大学院に進学し、同大の柔道部に参加しながら練習を重ねている。

 4日の壮行会では、修猷館柔道俱楽部の瀬戸勇次郎君を支援する会代表世話人、橋田紘一さん同大の飯田慎司学長に続き、同社の仲原孝志代表取締役社長が「市長表敬訪問では『金メダルに届く位置にいる』と力強い言葉をもらった。パリまで応援に駆け付ける」と激励。

九星飲料の応援団が熱いエールを送った

 同高の中神智文館長の音頭で乾杯。歓談の後、花束や記念品、エールが送られ、万歳三唱で締めくくった。

 パリ・パラリンピック柔道男子73キロ級(弱視)は、9月6日に開催される。

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