【糸島市】医薬品不足 深刻な状況

糸島薬剤師会が流通調査

 糸島薬剤師会が、管内46店舗の薬局を対象に8月、医薬品流通状況に関するアンケートを実施した。回答した全薬局が「入手困難な医薬品がある」とし、深刻な医薬品不足が明らかになった。

 薬剤師会によると、コロナ禍直前に大手の後発医薬品会社が厚生労働省から製造停止の勧告を受け、製薬業界全体が影響を受け、薬の供給体制が混乱したという。

 薬剤の不足に対応するため、98%の薬局が発注業務に時間を割かれ、さらに96%は近隣の薬局から融通を受けるなど、通常業務以外の対応に追われている。卸業者も薬剤が偏在しており、対応が難しい状況にあると報告されている。

 薬剤師会は、この状況が今後2~3年は続くと見込んでおり、採算が合わず製薬を辞める企業も増え、薬不足は一層深刻化する恐れがある。

 この難局を乗り切るため、薬剤師会では、以前から提唱する残薬の再利用による「節薬」の周知を図る。同会の細川禎久会長は「手元に残っている未使用の薬があれば、かかりつけの薬局に持参し、適切なアドバイスを受けて再利用してください」と述べる。また、医師から処方された薬が不足している場合には、医師と相談し承諾の上、効果がほぼ同じ代替医薬品への変更が可能。現状を理解した上で了承をお願いしたいと呼びかける。

「近くの薬局で気軽にご相談ください」と呼びかける細川さん

 細川さんは「必要な薬が必要な人に届くために、社会全体で協力して対策を進めていけたら」と話す。

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