【糸島市】《糸島新聞連載コラム まち角》夏場からの寒暖差疲労

まち角アイキャッチ

  爽やかな秋晴れの季節になった。職場の窓を開けると、心地よい風が流れてくる。例年だと、晴れやかな気分とともに体が軽やかになるが、今年は体調がすぐれない。どうも「秋バテ」のようだ▼調べてみると、気温差が大きい夏から秋への季節の変わり目は「寒暖差疲労」が起こりやすいという。朝と晩、前日と今日、そして室内と室外での気温差。人は、暑さと寒さに合わせて体温を調整するが、その差が大きいと、変化に対応できず、疲れが抜けなかったり、食欲不振になったりするという▼今年は、夏場のうちから寒暖差疲労で、体にだるさを感じた人もおられるのではないか。記録的な猛暑で、室内ではエアコンがフル稼働、そして外出すると、強烈な日差し。普段の生活で寒暖差が10度を超えたときも、個人的にはあった。よく体がもったものだと思い返すうち、沖縄に駐在した経験のある知り合いの記者が話していたことを思い出した▼30年以上前の話。この記者に、沖縄の地元紙の記者が親身になって、こんな注意をしたという。「夏場、そんなに動き回っていると、疲れをため込み、秋にどっと出てきますよ」。本土では、猛暑がまだ常態化していなかった時代。冷夏のときさえある本土の夏のつもりで、沖縄の厳しい暑さの中で取材に駆け回っている記者を心配したのだという▼地球温暖化により、もう昔のような夏ではない。昨夏、ドイツでは、保健所などで働く医師団体が南欧伝統のシエスタの導入を提案したとの報道があった。シエスタとは、日差しの強い時間帯での労働を避け、長めの昼休みをとる働き方。ただ、農業中心の時代には、外の涼しい時間帯に働くことが推奨されただろうが、現代のオフィスワークの環境にシエスタが合っているかは、いろんな意見がある。ともかく、猛暑続きの夏に、どんな働き方がいいのか、社会全体で考えるときがきている。夏に無理なく働き、秋を爽快に過ごしたいものだ。

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