株式会社アクアグローバルフーズ㊤ 代表取締役 上野 慎一郎さん(41)
このコーナーは、九州大学のインターン生が糸島エリアで活動している企業や団体を取材し、その魅力を紹介します。今回は、芸術工学府修士2年、北垣玲音が、糸島の海でうまみたっぷりのカキを生産し、海外輸出事業も展開している株式会社アクアグローバルフーズ代表取締役の上野慎一郎さん(41)にお話をうかがいました。

-カキ養殖は、父親の正幸さんが25年前に始められ、会社は上野さんが2012年に設立されました。その経緯についてお聞かせください。
「実は、漁師を継ぐつもりはなかったんです。大学卒業後、商社に入社し、東京で勤務していました。ある日、ふと立ち寄った東京のオイスターバーで、糸島では安く売られているカキが、かなりの高値で提供されているのを目にしました。その光景がとても印象に残り、だったら、自分で『選ばれるカキ』をつくってみたいと思うようになりました。いつかは独立したいという気持ちもあったので『カキで勝負しよう』と決意しました」
-その後、「濃厚みるくがき」というブランドづくりに力を入れ、数々の賞を受賞されていますよね。具体的にどのような養殖方法が評価されたのでしょうか。
「2012年の第三回九1グランプリで第1位になったのに続き、牡蠣(かき)日本一決定戦で入賞、第四回九1グランプリでも第1位となりました。カキは、正直なところ、放っておいても育つ生き物です。だからこそ、どこまで手をかけるか、作り手によって大きく変わります。その中で、私が最も重視しているのが『実入り』の良さです。殻を開けたとき『これはおいしそうだ』と満足してもらえる実入りにするため、いかだ全体に潮が流れていき、栄養がいきわたるようにする独自の養殖方法を用いています。3年ごとに方法を見直し、修正を重ねることを繰り返しています」

次回は、成長の志をもって養殖以外に展開している事業についてお聞きします。
(糸島新聞社ホームページに地域情報満載)