志摩小金丸 庄島さん宅 ソーセージなどパクパク
「今年も帰って来たね、おかえり」。糸島市志摩小金丸に暮らす庄島安子さん(78)の家に、今年も野生のニホンイシガメのメス「カメ子」がやって来た。庄島さん宅を訪れるようになって、今年で15年目。毎年7月から8月末頃に現れるカメ子は、すっかり庄島家の一員だ。

今年は昨年より11日早い7月2日、夕方5時ごろに登場。カメ子は慣れた様子で、勝手口の網戸の破れ目から家の中に入って来た。毎日、もしくは数日おきに現れては、魚肉ソーセージやペットフードなどをパクパク食べ、15~30分ほどで帰っていく。庄島さんの手からも餌を受け取るほど、慣れた様子だ。
外見上の特徴はないが、庄島さんは動きや態度ですぐにカメ子と分かるという。「初めの頃は、首を伸ばしたりあちこち見回したりして警戒していた。今はけそけそしとらん(落ち着いている)もんね」
カメ子の来訪の日時や餌を記録したノートも2冊目になった。「年に1回帰ってくる孫みたい。もう家族ですよ」と目を細める。「毎年元気な姿を見せて、家族を和ませてくれる。恩返しをしてくれていると思っています」と話した。
東海大学の鈴木大准教授(生物学)によると「福岡のニホンイシガメは、春後半から夏の始めにかけて産卵の時期になり、産卵後に庄島さんの家で餌をもらうのが恒例になっていると推測できる」といい、「カメが餌の場所を覚えることはあり得るが、野生のニホンイシガメが15年もの間、毎年同じ場所に来ることは珍しい」と関心を示している。
(糸島新聞社ホームページに地域情報満載)