【糸島市】懐かしのうどん復活

宇美八幡宮神幸祭

 糸島市川付の宇美八幡宮(武内純夫宮司)で11日と12日、神幸祭が行われた。11日には、ご神体をうつした3台のお神輿(みこし)が境内を出発。長野川の御旅所まで進行し、祭典が執り行われた。12日は、稚児行列が宇美八幡宮から約500メートル離れた田んぼまで進み、菰(こも)に座って、甘酒を一口飲んで枝豆を3粒食べることを3回繰り返す儀式を行った。

 11日に開催した夜店では、かつて長糸校区で法事や神事の際にふるまわれていたうどんが復活。戦後の食料が乏しかった時代、貴重な鶏肉を無駄なく味わおうと生まれた地域の料理だ。

鶏とシイタケのうまみたっぷりのうどんを食べて子どもも大喜び

 復活を提案したのは、氏子総代の柴田周作さん(62)川付女性の会代表の川上久美子さん(72)が中心となり、試作を重ねた。かつての味を知る人たちに試食してもらい、鶏肉とシイタケでだしをとった素朴な味を再現した。具材には鶏肉、シイタケ、厚揚げ、かまぼこなどが入り、うまみが体に染みる味となった。

 多くの地域住民が懐かしの味を求めて訪れ、「うまかった~」と深々と息をつく高齢者や、「普段はラーメンが一番好き」と言いつつ箸を止めない子どもたちの姿が見られた。川上さんは「だしを大切にし、体にもやさしいうどん。皆さんに喜んでもらえてうれしい」と話した。

 柴田さんは「昔はどの家でも作っていたが、今は作り手が減ってしまった。地域の味としてこれからも引き継いでいきたい」と語った。

糸島新聞社ホームページに地域情報満載)

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