糸島市消防本部 迅速な情報把握期待
救急車で運ばれる際、痛みなどで薬の名前やかかりつけ医を答えられない経験がある人も多い。
糸島市消防本部は10月1日から、マイナンバーカードの健康保険証機能を活用する「マイナ救急」の運用を始めた。カード一枚で患者の通院歴や薬の情報を瞬時に確認し、適切な処置と搬送先選定を実現する。
マイナ救急は全国一斉にスタートする実証事業で、国内すべての720消防本部の計5,334台の救急車が連携し取り組む。高齢化で「家族も患者の病歴や薬を把握しきれない」「意識不明で情報聞き取りが困難」といった課題解決に期待がかかる。

マイナ救急の流れは
①現場で患者の同意確認
②マイナ保険証を専用機器で読み取り
③過去の受診歴や処方薬など医療情報をタブレットで確認
④情報を基に処置・搬送先選定
-という手順。暗証番号入力は不要。
市消防本部救急課は「従来は患者や家族からの聞き取りに頼っていたが、痛みで苦しむ中で詳しい説明を聞き取るのは難しかった。マイナ救急により患者の負担なく必要情報を把握できる」と説明する。
搬送先選定についても、正確な医療情報に基づいた適切で円滑な選定が可能となる。
糸島市では4台の救急車で導入している。活用にはマイナンバーカード取得と健康保険証登録、普段の携行が必要。実証事業は来年3月31日まで。効果検証後、2026年度から全国で本格運用する予定。
市消防本部は「緊急時は一刻を争う。マイナ救急が命を守る手助けになる」として市民にマイナ保険証携行を呼びかけている。
(糸島新聞社ホームページに地域情報満載)