【糸島市】ドクター古藤の園芸塾Vol.146(11/28号掲載)

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柿の難敵「カメムシ」

 今年の果実は、おいしいですね。初夏の桃からブドウ。秋の梨から極早生ミカン。そして、柿から温州ミカンと年末まで楽しめます。柿の生産地でも2025年産は夏場の日照が十分確保されたことで高糖度に仕上がったとのことです。生育中の異常な豪雨や一部連続した日照不足の影響からか生理落果も多く、カメムシ、カキノヘタムシガなどの被害もあって収量自体は2割ほど減っているとのことです。

 私の実家に樹齢60年ほどの柿の木が1本あり、今年は結構、実をつけてくれています。少し傾斜地に植わっているし、結構、大木であまり手入れをしていません。そのせいか、昨年はほとんど実をつけてなく、一昨年はそこそこの収穫ができた、典型的な隔年結果しながらの収穫となっています。

 消毒しなければと思いつつ、木が大きいので、ほとんど防除無し。1年観察していると、5月末にはヘタムシガがヘタに侵入し未熟果の落果。きれいな実が付いていたと思うと、7月にはサルが青い柿をかじっては捨てるいたずら攻撃。

5月に落果した柿の実

 秋季の気温が高めに推移しているためか、なかなか葉が黄化せず、実も赤くなってくれない。10月になって、青い実もあれば、赤く完熟してボトボト落ちる。何か変だぞと思って、一部試しに収穫したところ、がっくりです。

比較的きれいな柿(左) とカメムシの被害を受けた柿(右)

 今年は、台風の直接的上陸がなく安心していましたが、果実の表皮は傷だらけ。そこの傷みから腐熟が進んで、ボトボト落ちていました。そこで、きれいに着色した実を収穫しましたが、またまた、がっくり。ヘタの近くの表皮がデコボコ状態。犯人は、チャバネアオカメムシ=イラスト=が吸汁した痕跡のようです。

皮をむいてもカメムシが汁を吸ったあとが硬くておいしくない

 今年の夏季は梅雨も短く、高温乾燥が続いたので、炭疽(たんそ)病などの病害の発生は少ないのですが、カメムシ類の被害は甚大ですね。ただ、柿の大生産地である朝倉地方や、うきは地方では、プロの生産者による、しっかりした管理が行われており、美しく輝き、甘くておいしい柿が収穫できているのもうなずけます。

 実家では、おおむね100個前後の収穫ができました。今まであまり面倒を見てなかったのに一生懸命実をつけてくれていました。今後は12月に剪定(せんてい)をしっかりとしてあげ、元肥もちゃんと施し、来年は、おいしい柿に仕上げ、富有の特徴でもあるサクサクとした食感を堪能したいと思います。 

(シンジェンタジャパン・アグロエコシステムテクニカルマネジャー 古藤俊二)

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古藤 俊二さん
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この記事を書いた人

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