糸島市志摩の芥屋海水浴場で6月30日、海開きが行われ、関係者ら約40人が本番を迎える海水浴シーズン中の安全を祈願した。
海の家も含む芥屋の飲食や宿泊業約20軒からなる芥屋観光振興会の会長の島添清隆さんは「徐々に回復しつつあった客足が、最近は外国人の方も見かけるようになるなど、一気に増えた。好天が続き、より多くの人にきれいな海を安全に楽しんでもらいたい」と話した。自身が営むハンバーグをメインとした「レストランカフェBeaSun」では、「糸島産の真鯛を使った鯛カツサンドは好評につき7月以降も提供します。暑くても食欲が増すようなメニュ-を用意してお待ちしています」と笑顔を見せた。
深江川祭り
同市二丈の深江校区では、深江海岸や一貴山川河口で2日早朝、「深江川祭り」(県指定無形民俗文化財)が行われた。19ある行政区が単独や合同で祭壇を作り、水遊びシーズンを前に、子どもの水難除けを祈願した。
深江海岸では、朝4時に浜辺に集合した大人や子どもたちが、薄暗い中スコップの届く深さまで穴を掘り、前日に伐り出しておいた10メートルほどの竹を四方に立て、中央には砂を盛り、1坪程度の祭壇を作った。大人たちが砂を寄せ、子どもたちが海からバケツでくんできた海水をかけ、固くたたきながらつくりあげた。深江の鎮懐石八幡宮と深江神社の宮司が祭壇を回り、地域の子どもたちが水難事故から守られるようにと祈願した。
久しぶりの川祭りがあることを知り、孫を連れて参加した70代の女性は「自分の息子の頃は公民館で前日から泊まり、ご飯準備やらしていて、今日は初めて浜辺での神事を見ました。海でおぼれたりしないよう、とにかく子どもたちを守ってくださいという思いです」と手を合わせほほ笑んだ。
自身も川祭りを経験し、今は保護者として関わる古藤宏明さん(42)は「昔はどこの行政区の竹が長いか競い合っていたので、夜中こっそり他の行政区の竹を折りに行ったりしよった。夜は怖い話をして肝試しして。親父たちは夜通し飲んで寝てなかったんじゃないかな。そのまま朝行きよったのを覚えてます」と昔を懐かしんだ。
参加した子どもは慣れない早起きながらも、祭典が終わると、引き倒した竹と海で大はしゃぎ。明けいく海岸に子どもたちの元気な声が響き渡った。